下肢静脈瘤の治療を専門とする日本で初めての血管外科クリニック
レーザー治療
新しいレーザー装置の導入(2007年)
第3世代レーザー(波長1470nm半導体レーザー)を導入しました
下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療に使用する最新型の波長1470nm半導体レーザーを導入しました。このレーザーは従来私たちが使用していた1320nmパルスヤグレーザーよりも生体内の水に対する反応が格段に強く、静脈を短時間で確実に収縮・閉鎖させることができます。合併症の減少と治療効果の増加が期待されます。
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下肢静脈瘤用レーザーの変遷
初めに下肢静脈瘤に対するレーザー治療が行われた時、波長810nmの半導体レーザーが使用されていました。このレーザーは主に血液に反応するため、血液が血管の中で沸騰して血管に穴が空いたり血管の中に血の固まりができて治療後の皮下出血や痛みが頻繁に起きました。そこで、より波長が長く水に反応する波長1320nmのパルスヤグレーザーが開発され、治療後の皮下出血や痛みが劇的に減少しました。私たちも日本でいち早くこのレーザーを導入し使用してきました。ところが、文部科学省の科学研究費で行われた下肢静脈瘤に対するレーザー治療の研究(パルスヤグレーザー使用)では2年間で21.6%もの再発が認められました。これは当初のレーザー出力の設定が低すぎたためで、その後、血管内でレーザーを繰り返し照射したりレーザーファイバーの牽引速度を遅くすることによって再発は減少しましたが、今度は治療に時間がかかるようになってしまいました。
レーザーの波長と水との関係
波長1320nmのパルスヤグレーザーは水に良く吸収されるため血管壁の水分と反応して血管を収縮させて閉鎖させるという特徴がありました。ところがレーザーの水吸収曲線を見ると1320nmよりも長い波長に2つのピークがあることがわかります(図1)。これらのピークは波長1470nmと2000nmで、これ以上長い波長ではレーザーは組織に浸透せず静脈瘤の治療には適していません。
水特異性レーザー(波長1470nmと2000nm)
そこで、私たちは波長1470nmの半導体レーザーと波長2000nmのDPSSレーザーをドイツから独自に入手し慎重に検討を行った結果、波長1470nmの半導体レーザーを導入することに決めました。このレーザーはパルスヤグレーザーの10倍以上も水に吸収されるため、短時間で非常に強く血管を収縮させることができます。そのため治療時間が短縮され再発も少なくなります。また、半導体レーザーであるため信頼性が高く機械も非常にコンパクトです。
下肢静脈瘤のレーザーはどれも同じではありません
このレーザーはヨーロッパでも下肢静脈瘤専門の限られた施設にしか供給されておらず、アジアでは初めて当クリニックに供給されました。今後、これらの水特異性レーザーが下肢静脈瘤治療用レーザーの主流となっていくと考えられます。
→各種レーザーの比較
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