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下肢静脈瘤とエコノミークラス症候群

エコノミークラス症候群とは?

エコノミークラス症候群とは、足の深部静脈にできた血液の塊、いわゆる血栓が血流にのって移動し、肺の動脈に詰まる病気です。飛行機のエコノミークラスに乗っている方に多くおこると言われたため、エコノミークラス症候群として有名になりました。しかし、実際はエコノミークラスでなくてもおこり、飛行機に乗っていなくてもおこります。

深部静脈血栓症はなぜおこる?

飛行機の座席に限らず、長時間、同じ姿勢で座り続けていたり、水分を摂らずにいたりすると、足の静脈の血液が流れにくくなります。それがさらに悪化すれば、血液がドロドロの状態となり足に血の塊(血栓)ができます。このような状態で立ち上がって歩き始めると、血液の流れで血栓が肺へ移動し、肺の動脈を塞いで呼吸困難をおこしたり、最悪の場合は命を落とす危険性もあります。

深部静脈血栓症と下肢静脈瘤の関係性

下肢静脈瘤を放置すると深部静脈血栓症がおこるのでは?と心配される方がいます。しかし、深部静脈血栓症と下肢静脈瘤は直接の関係はありません。、深部静脈血栓症は足の深い部分の静脈の病気で、下肢静脈瘤は足の表面にある静脈の病気です。エコノミークラス症候群や深部静脈血栓症をおこした患者さんを調べると、健康な人と比べ下肢静脈瘤の人が多く認められます。そのため、下肢静脈瘤は深部静脈血栓症の危険因子と言われていますが、その危険性はそれほど高くありません。また、下肢静脈瘤を治療した際に、合併症として深部静脈血栓症がおこることがあります。したがって、深部静脈血栓症を防ぐために下肢静脈瘤の治療をおこなうことはありません。


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