血管内レーザー治療が適しているケース
血管内レーザー治療(血管内レーザー焼灼術)は、下肢静脈瘤の原因となる静脈を、体の中からレーザーで焼いて閉じる治療です。焼かれた血管は次第に体に吸収されて消えていきます。この治療が適しているのは、太ももやふくらはぎにある伏在静脈という太い血管にできた静脈瘤で、血管の太さが20mm未満であり、血管が大きく曲がっていない場合です。
血管内レーザー治療が適さないケース
一方で、血管の太さが20mm以上ある場合や、血管が大きく蛇行している場合には、レーザー治療が難しいことがあります。また、すでに一部の血管が閉塞していたり、網目状静脈瘤やクモの巣状静脈瘤のように細い血管の軽症型静脈瘤は、治療の対象になりません。さらに、血液が固まりやすい体質の方や、ピルやステロイドなど血液の状態に影響を与える薬を内服中の方、局所麻酔が使えない方、深部静脈血栓症を起こしたことがある方、妊娠中または授乳中の方、そして術後に歩行が難しい方についても、血管内レーザー治療は安全性の面からおすすめできません。
手術や硬化療法を検討するケース
血管が細い静脈瘤の場合は、硬化療法が適していることがあります。これは、静脈の中に薬剤を注入して血管を血栓でふさいで消失させる方法です。体への負担が少なく、外来で受けられる治療です。逆に、血管が太かったり、大きく蛇行している場合は、血管内レーザー治療よりもストリッピング手術が適しています。