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血管内レーザー治療とスタブアバルジョン法

血管内レーザーで塞がれた静脈はどうなる?

下肢静脈瘤の血管内レーザー治療を受けた患者さんから、「焼灼された血管が体の中に残ってしまうのではないか」といったご質問をいただくことがあります。血管内レーザー治療とは、静脈の内側をレーザーの熱で焼いて塞ぐ治療です。治療によって血液の流れは止まり、その静脈は徐々に線維化していきます。そして、治療後半年から1年ほどで体内に吸収されて消えていくため、塞いだ血管がそのまま体内に残る心配はありません。

成功率が高い血管内レーザー治療

血管内レーザー治療を受けた患者さんの5年後の治療成功率はおよそ95.4%と報告されており、非常に成績が良い方法です。そのため、現在ではこの治療が主流となっています。ただし、血管内レーザー治療は太ももの伏在静脈の治療で、膝下の目立つ静脈瘤の治療ではありません。膝下の目立つ静脈瘤は徐々に小さくなりますが、見えなくなるまでには時間がかかり残ってしまう場合もあります。そのため、「すぐに静脈瘤を目立たなくしたい」「早く見た目を改善したい」と希望される患者さんには、血管内レーザー治療に加えてスタブアバルジョン法という方法を組み合わせて治療を行っています。

スタブアバルジョン法とは?

スタブアバルジョン法とは、1〜3mmほどの小さな切開を入れ、特殊な器具を使って静脈瘤を直接引き抜いて取り除く治療です。この方法は一般的に血管内レーザー治療と同時に行われます。切開が非常に小さいため縫う必要はなく、傷あともほとんど目立ちません。また、局所麻酔で行うため、体への負担も軽く済みます。治療後は弾性ストッキングを1か月ほど着用していただきますが、日常生活に大きな支障はありません。


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