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加齢と下肢静脈瘤の関係

高齢になるほど下肢静脈瘤の罹患率が上がる

下肢静脈瘤は放置しておいても自然に治る病気ではありませんので、そのため、年齢が高くなるにつれて下肢静脈瘤の罹患率も高くなります。15歳以上の632人を対象とした調査データ(平井正文らの調査、脈管学28・1989年)によると、下肢静脈瘤の年代別の罹患率は、30代~40代は55%、50代~60代になると61%に増え、70代になると75%に達し、年齢が高いほど下肢静脈瘤の人が多いことがわかります。

下半身の筋肉量減少も一因に

上半身の筋肉量は高齢になっても、若いころと極端には変わらないと言われていますが、その一方で下半身の筋肉量は、20代と70代をくらべると約40%も減ってしまいます。年を取ると若いころのような運動をしなくなったり、歩く距離が減ったり、日々の生活で下半身の筋肉を使う機会が少なくなるため筋肉量は減少し、下半身の筋肉が衰えれば、第二の心臓と言われているふくらはぎの筋ポンプ作用も弱くなります。これにより、足から心臓へと血液の流れを促せなくなり、静脈血が足に溜まりやすくなることで下肢静脈瘤を招きます。中高年に下肢静脈瘤の人が多いのは、このような下半身の筋肉量の減少も一因となっているのです。ただし、年齢が上がるにつれて下肢静脈瘤が悪化していくわけではなく、下肢静脈瘤の症状は60歳前後がピークと言われています。


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