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下肢静脈瘤の手術前に行われる検査

安全な手術のために

下肢静脈瘤の手術には、レーザーや高周波による血管内治療やストリッピング手術などがあります。患者さんに安全な手術を受けてもらうため、事前にいくつかの血液検査を行います。具体的には、血液一般検査、凝固検査、生化学検査、感染症検査です。医療機関によっては他にも、心電図検査で心臓の異常を調べたり、胸部レントゲン検査で隠れた疾患がないかを確認することもあります。

血液一般検査と凝固検査

血液一般検査では、血液の赤血球、白血球、血小板の量などを調べ、貧血や多血を確認します。貧血は酸素を運ぶヘモグロビンが少なく、体内の組織に十分な酸素が行き渡っていない状態です。一方、多血は血液中の赤血球やヘモグロビンの量が基準値を超え、血液が詰まりすぎて血流が悪化している状態です。凝固検査では、出血した際に血液が固まり止血するための機能が正常かどうかを調べます。

生化学検査と感染症検査

生化学検査では、採取した血液を有形成分(赤血球、白血球、血小板)と、無形成(血清)に分離し血清中の物質を分析します。これによって糖尿病の有無、肝機能や腎機能の異常を調べます。感染症検査では、血液中の抗体の有無や抗体の量から、B・C型肝炎の有無を確認します。これらの血液検査は、血液採取後から結果が出るまでに数日かかりますが、下肢静脈瘤の安全な手術のためには必要な検査です。


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